矢口高雄B級聖地巡礼 その2 

矢口高雄聖地巡礼者向け企画『矢口高雄B級聖地巡礼』。第二弾は矢口高雄行きつけのお寿司屋さんです。

そのお寿司屋さんとは自由が丘駅から徒歩5分の「さわ鮨」さんです。ちなみにお店はB級ではなくてA級ですよ (笑)。 矢口は多い時は週5回、近年では週3回、40年にわたって通ってました。大将のお話だと、がっつり食べるのではなく軽く飲んで数巻つまんであとは常連のお客さんとの会話を楽しんでいたとのことで、実際、家に帰ってからまたご飯を食べることが多かったとのことです。では、さっそくお店の中に。

大将が矢口が絵を付けたお皿でお出迎えしてくれました。

店内には矢口の作品や新聞記事の切り抜きで一杯です。

赤丸の席。カウンターの奥から2番目が矢口の指定席でした。

女将さんはいろいろなものを見せてくれました。

矢口の好物はマグロの漬けとアナゴでした。ということで早速頂きました。

実は私はこの「さわ鮨」さんにはひとつ面白い思い出があります。私が転職した時に矢口がお祝いにと初めてこの「さわ鮨」さんに連れて行ってくれ、「何でも好きなものを食べなさい」と言われたので、小市民の私は「サーモンを」と言ったところ大将から「うちにはサーモンなんてないよっ!」と言われてしまいました。困ってると矢口が「沢さん、端から順番に全部握ってやって!」と一言。大将は寿司ネタケースのネタを端から順番に握り始めました、しかも、2巻ずつ…。私は江口寿史先生の『すすめ!!パイレーツ』、「史上最大の生中継」の粳寅満次さながら黙々と食し、最後の椀物までいただき死にそうなほど満福状態でお店を出ました。大将もこの時のことが印象深いとおっしゃっていましたね。ただ、矢口は私のことをいろいろと心配してくださっていたとのことで感謝しても感謝しきれません。

先ほども述べましたが、「さわ鮨」での矢口は常連の方々との会話を大いに楽しんでいたようで、その中の一人、大野さんとは特に親しくしていました。傍から見ても大親友という感じでしたね。

大野コレクションについて説明する大野氏

大野さんは元銀行員ということで矢口と気が合って交遊が始まり、漫画には興味が無く、『釣りキチ三平』でさえ読んだことが無かったそうですが、最後には大ファンになっていました。矢口は紙とペンがあればどこにでも絵を描く人でしたが、大野さんはその絵を、それがメモへの走り書きであろうが、割りばしの袋に書いたものであろうがすべてを保存していてそれらは「大野コレクション」と呼ばれるほど膨大な数になっています。以下がそのコレクションの一部になります。

『マンガ万歳 画業50年への軌跡』のもとになった連載の切り抜き。
割りばしの袋に描かれた落書き(?)
これはなんだろうか?
佐藤春夫の詩「少年の日」から。
開高健さん、サントリーのCMから。

そんな「さわ鮨」ライフを楽しんでいた矢口ですが次女のかおるが自宅に訪れる日には早めに切り上げて帰宅していたとのことです。「さわ鮨」さんの場所は以下になります。

ちなみに第一弾はこちらから。