アニメ版 釣りキチ三平 「若鮎たちの夏」編 GYAO! で無料配信中。(4月20日まで) それと音楽についていろいろ。[終了]

『釣りキチ三平』のエピソードで名作との呼び声が高い「少年の夏」を原作とした「若鮎たちの夏」の無料配信が「GYAO!」で始まりました。→ 「若鮎たちの夏」

「少年の夏」についてはエッセイ集『続々 釣りキチ三平の釣れづれの記』に詳しいのですが、当時のスタッフがみなみらんぼうさんの傑作『途上にて』を作業場で流していてその中の収録曲「少年の夏」からインスパイアされて描かれたのが「少年の夏」でした。ちなみにみなみらんぼうさんは役者として吉永小百合さんの新作『いのちの停車場』に出演しています。
 

『続々 釣りキチ三平の釣れづれの記』
 

残念ながら、『続々 釣りキチ三平の釣れづれの記』は絶版となっていますが、『釣りキチ三平の釣れづれの記』と『続 釣りキチ三平の釣れづれの記』は形を講談社から発売されています。また、平成の時代には『釣りキチ三平の釣れづれの記 平成版』も出版されました。
 

話は戻りまして、その「少年の夏」が収録されている みらんぼうさんの傑作『途上にて』。
 

残念ながら『途上にて』は廃盤らしく「少年の夏」は以下のアルバムで聞くことが出来るようです。
 

矢口家とみなみらんぼうさんは一緒にハワイ旅行をしたこともあるそうです。矢口の逝去後もお線香を挙げにいらっしゃってくださいました。そして、みなみらんぼうさんと言えば「山口さんちのツトムくん」
 

あと、みなみらんぼうさんの曲で脳みそに刷り込まれているのが「学研のおばちゃんのまだかなソング」。
 

「みんなのうた」つながりで先日お話しした「だるまさんがころんだ」です。絵本版もあるようですね。
 

矢口高雄 公式ホームページ

NHKで現在、「みんなのうた60」という企画で過去の「みんなのうた」の特集をしています。今日、放送されたのが矢口高雄と親…

そう言えば、先日、伊集院光さんのラジオ『伊集院光とらじおと』の「アレコード」のコーナーでこの曲が流れました。残念ながら矢口が「みんなのうた」のイラストやレコードジャケットを描いてることには触れてませんでしたが。ちなみに私は伊集院光さんの大ファンで彼がラジオデビュー(?)したオールナイトニッポン2部を初回から聞いています。その後、伊集院さんが『釣りキチ三平』をいじってるのを聞いて笑ってましたがまさか自分が関係者になるとは夢にも思ってませんでした。

話は変わりますが実は私はみなみらんぼうさんの曲で時折りバックコーラスをしていた谷山浩子さんの大ファンなのです。中学生のころは木曜深夜1時からビートたけしのオールナイトニッポンを聞いて、そのまま3時から5時まで谷山浩子さんの2部を聞いてふらふらになりながら学校に行っていました。この「若鮎たちの夏」でもみなみらんぼうさんの「少年の夏」が流れ、谷山浩子さんの歌声を聞くことが出来ます。ちなみに谷山浩子さんも「みんなのうた」にたくさん曲を提供していますね。

谷山浩子『BEST SELECTION』
 

この谷山浩子『BEST SELECTION』は文字通りベスト盤なんだけど「ドモアリガット、ミスターロボット」でお馴染みのスティクス、デニス・デ・ヤングの日本語カバー「DESERT MOON」がまだ入っていないのが残念。下記のベスト盤には「みんなのうた」の曲とともに収録されています。
 

話は脱線しましたが『続々 釣りキチ三平の釣れづれの記』には『釣りキチ三平』のレコード化の話も詳しく載っています。1979年にリリースされたこのレコードはA面4曲がコミックのエピソードに沿ったイメージ曲、そして、矢口の語りの「釣りキチ人生」と矢口本人が歌うみなみらんぼうさん作曲「釣りキチ三平の歌」。B面はレコード劇画といってラジオドラマみたいな作りになっています。”ナウなサウンド”ってとこが時代ですね。中古盤を買う人はちゃんとポスターが付いてるかチェックしましょう。
 

こちらはシングルカット(?)されたEP。
 

久し振りにアルバムを聞いてみたけど5曲目の「釣りキチ人生」の矢口の語りの前後に流れる ♪ミスターやーぐちー、ミスターやーぐちー、釣りキーチ人生―♪ のジングルがとても面白いです。ううっ、upしたい…。というかこれこそ伊集院光さんの「アレコード」で流して欲しい。
 

ここで忘れてはいけないのがアニメ版の主題歌で名曲「若き旅人」です。
 

こちらはコンピレーションで「若き旅人」だけですがCDで聞けます。
 

ちなみにこんなものもありました。さまざまな漫画家によるカラオケのジャケットのみのシリーズのようです。
 

実は『続々 釣りキチ三平の釣れづれの記』には”「釣りキチ三平」アニメ化される”の一文があります。アニメ放映前に描かれたものなのだけど、この時点で「登場人物はたいてい無地の服を着ている。なぜならそうした柄や模様を動かすこと至難だから(つまり、魚の描写はもっと至難である)」、「(アニメ版『釣りキチ三平』が)仮にいちじるしく稚拙なものであっても裏では今日できる限りの力を傾注しているのも事実である」と矢口はアニメ版においてはかなり厳しい目で見ていたことが分かります。先日、テレビで『鬼滅の刃』の制作現場を特集していたのを見ていて炭次郎の着物の柄のひとつひとつをすべて計算して動かしていると知り、今の技術で『釣りキチ三平』をアニメ化したらどうなるのかなと思いますね。

もう一枚レコードを。『少年マガジン』の創刊1000号記念に製作されたもののようです。面白いのがB面でマンガ家の先生方の肉声が収録されていてそのメンツが、梶原一騎先生、川崎のぼる先生、水木しげる先生、ちばてつや先生、赤塚不二夫先生、矢口高雄、手塚治虫先生、影丸譲也先生、ながやす巧先生、石森章太郎先生、さいとうたかお先生と恐ろしいことになっています。その他にも当時ブームであったであろうスーパーカーの排気音や読者のとった面白い音のコレクションでは「秋田駅構内の弁当売りの声」とかも収録されていたりします。
 

最後に蛇足 (いや、ここは「バチヘビ足」と言うべきか?) なのを重々承知の上で私の一番好きなアニメの曲を。それは『はじめ人間ギャートルズ』のエンディング曲「やつらの足音のバラード」です。園山俊二さんの歌詞、かまやつひろしさんの曲ともに素晴らし過ぎますね。ちなみにオープニングの「はじめ人間ギャートルズ」でドラムを演奏しているのは先日惜しまれつつ亡くなった 村上 “ポンタ” 秀一 さんです。 
 

『はじめ人間ギャートルズ』には忘れられないエピソードがあって、それは7話目の後半の「ジゴクラクーンの巻」です。父ちゃんが死んでしまって天国に行くのですがそのときずっとザ・フォーク・クルセダーズの「帰って来たヨッパライ」が流れてるんですよね。その曲が何か不気味に聞こえたのと悪魔も登場するのです。ストーリーはいつものギャートルズなのですが子供心に怖かったですね。大人になって最後まで聞いたら「俺は生き返っただー」という歌詞があって安心しました。
 

ザ・フォーク・クルセダーズには「悲しくてやりきれない」やNHKの「アナザーストーリーズ」で取り上げられていた「イムジン河」といった名曲がたくさんあるのですが、中心メンバーの加藤和彦さんが「加藤和彦と北山修」名義で発表した「あの素晴しい愛をもう一度」という素晴らしい曲もあります。この曲を前出の伊集院光さんの企画グループ、FATMAN BROTHERSでカバーしていてそれがなかなか格好良かったです。ちょうどいい動画が見つかりましたので載せておきますね。鉄也…。
 

というわけでいつものように矢口高雄から大きくそれてしましましたがこれで終わりにさせていただきます。