白土三平先生と矢口高雄

手塚治虫に熱狂し、マンガを書きまくった子供時代を過ごした矢口高雄ですが、銀行員となってからはそのマンガ熱も幾分冷めていました、そこに偶然目にした白土三平作品でガロ連載中の『カムイ伝』で再びマンガ熱が沸き起こったのでした。この出会いが無ければ矢口高雄は漫画家になってなかったかもしれませんね。そしてもちろん、『釣りキチ三平』の三平くんの名前は白土先生からいただいています。

そんな白土三平先生の訃報が届きました。矢口は銀行員時代に上京した際に「ガロ」編集部の人に白土先生に会いたいと頼んだのですが残念ながら叶いませんでした。その代わり水木しげる先生を紹介され、そこで、池上遼一先生、つげ義春先生に出会っています。後に矢口は白土先生と交流を持つに至り、自宅を訪れた際に、大根汁を頂いてからは大根汁が好物となり、白土先生が焼酎党だったことから焼酎を飲むようになったりと影響を受けていました。

また、矢口高雄マンガ家生活40周年のパーティーで白土先生をはじめとして多くのマンガ家の先生からお祝いの色紙をいただいた時、その色紙は来場者へのプレゼントとなる予定だったのですが、白土先生の色紙がどうしても欲しかった矢口は、主催者に白土先生の色紙を譲ってもらう代わりに自分の描いた色紙を3枚提供すると1対3のトレードを申し込んだそうです。その1枚は今でも矢口邸に飾ってあります。
 

以下は本日の秋田魁新報に載った記事です。矢口の妻、勝美が思い出を語っています。秋田魁新報のオンライン版でも有料記事ですが読むことができます。過去の矢口に関する記事もありますので、購読してみてはいかがでしょうか?電子版はこちらから ⇒ https://tinyurl.com/2762rmy4
 

最後にどうでも良い話ですが白土先生はサインする時によく、三平くんの絵を描いてくれ、と頼まれてたそうです….。Twitter等でも混同している人が多いみたいですね。笑 ちなみに『河童の三平』は水木しげる先生です。