2023年10月のカレンダー

描き下ろし。最終章「釣りキチ同盟」から。主要登場人物の一平じいちゃんの死から始まり、粛々と葬儀、埋葬の場面が描かれるエピソードは当時の読者にはとても衝撃的だった。当時、矢口が「もう二度と『釣りキチ三平』は描かない、その為にはどんなラストにすべきか?」と悩んでいたところ、妻勝美が「一平じいさんを死なせたら?」と提案したとのこと。この魚紳とのシーンは『釣りキチ三平』全エピソードの中でも随一と評する人も多い。その一方、カレンダーの絵としてはどうかという懸念があったが、『釣りキチ三平』連載開始50周年記念カレンダーということで敢えて選択した。葬儀の場面は2022年に開催された「END展 死から問うあなたの人生の物語」でも取り上げられた。丸10年続いた昭和版『釣りキチ三平』は登場人物総出演の国会への大行進で大団円を迎える。